水曜Watsonカフェ用資料

【映画解析】ターミナル

私たちで作っていたストーリー解析エンジンが一時的に壊れていたため、利用ができない状態でしたが、GoogleNaturalLangage APIとIBM Watson ToneAnalyzerを利用して解析する、ストーリーアナライザーがようやく稼働し始めました。

上の画像での赤い曲線が”AIくん”頑張って解析してくれた曲線になります。結論から言うと、シンデレラ曲線に似てるよね?という感じでした。もっともっとサンプルが必要で、今このブログを書いている最中も、シナリオデータがもらえないか交渉しています。

僕らの最大の特徴は、これまでもずっと言ってきたとおり、AIだけでは解析してもそのデータがどういう意味を持つのかがわからないので、文系がひたすら分析してきた構造主義的なフレームワークをうまく使ってやることで、見えてくるんじゃないかというブレイクスルーです。つまり、データの下処理をちゃんとしたら見えるよね?という話です。

という話を、先日渋谷で行った、IBMさんとツクルバさんが共催の水曜ワトソンカフェで語りました。色々癖はあるんですが、そういう諸々のところを飲み込んで今できる一番簡単な商用イメージはこれ!って言う感じで提供しようとしてます。

そうじゃないといつまでたっても、データ解析の受託モデルか、汎用化されずにSI事業に発展するAIビジネスみたいなもので終わってしまうので、私はその場でもいいましたが、APIエコシステムを推進しています。

無駄にサーバ立ててやらなくていいじゃない、何でもかんでもディープラーニングしなくてもいいじゃない。マシンラーニングがほんとうに必要なんですか?その仕事。というスタンスです。

結局1億レコード以上のデータが標準で存在しないとあまり意味のない解析というのもありますし、むしろAPIエコシステムを使えば少ないデータで教師データも要らず、まずはお手軽にざっくり分かる範囲で、人間が見えていなかったものが見えてくる。新しいデータが手に入るというのが大切だったりします。

ですので、今はこれを如何に手に入れるのか、一生懸命考えています。

さて、ターミナルをどのように分析したのか、昨年インターンの女子に作ってもらったものを例として掲載してみます。

映画名:ターミナル
担当者:二階堂
開始日:6/17
監督名:スティーヴン・スピルバーグ
主 演:トム・ハンクス
配 給:ドリームワークス(アメリカ合衆国)
制 作:ウォルター・F・パークス
ローリー・マクドナルド
スティーヴン・スピルバーグ
公開日:2004年6月18日(アメリカ合衆国)
興行収入:$219,417,255(ワールド)
(参考)Wikipedia

1:なぜこの作品を選択したか

公開された当初、主人公ビクターが人柄の良さで逆境を乗り越えていく姿に感動を覚えたと同時にトム・ハンクスのコミカルな演技、ユニークさに惹かれた。
「ヒーローズ・ジャーニー」理論に当てはまりそうな作品をいくつか考えた中で、上記の通り自分自身にとって前から一番親しみがあり、好きな作品であったため、この作品を選択した。新鮮なストーリー、斬新な演出が凝らされ当時話題になったこの作品を、「物語の法則」という道具を用いて新たに見直してみようと思う。

2:登場人物の分析

1.
名前     :ビクター・ナボルスキー
ニックネーム :ビクター 、ヤギのビクター
アーキタイプ :(主人公)ヒーロー、トリックスター、メンター
特徴     :教養があり真面目、ユーモアや慈悲にも溢れ、愛国心に満ちたクラコウジア人。大工仕事が得意。取り付けた約束は必ず守る。 この性格がストーリーを展開させていく。不器用で要領の悪いところはあるが、何故か憎めない。この素直な人柄から多くの人に好かれる。年齢・職業とも明かされてはいない。しかし建設作業員として働いていたのではないかと予測できる。父との約束を果たすために訪米(ニューヨーク)。目的を達成するまでは帰らず「待つ」と言い切る意志の固さがある。空港で待ち続ける動機である父親の形見である青い「缶詰」を片時も離さず大事に持っている。

2.
名前     :アメリア・ウォーレン
ニックネーム :アメリア、ベイビー(浮気相手ハリーとの間で)
アーキタイプ :アライズ(ガールフレンドに近い)、 メンター、シェイプシフター
特徴     :ユナイテッド航空ファーストクラス担当の客室乗務員。実年齢は39歳。 自称33歳。デートする男には27歳で通している。5分ですら1人でいられないほどの寂しがり。このままではいけないと分かっていても毒になる男を次々と食べてしまう。不倫関係で悩んでいる。彼は一生自分のものにならないと分かっていても身を引くことができない。歴史の本をよく読む。とくにナポレオンが好き。彼を「エゴ」が救った、というところに共感を覚えるから。

3.
名前     :フランク・ディクソン
ニックネーム :フランク
アーキタイプ :シュレスホールド・ガーディアン(敵、仕事として門番を勤める) 、シャドウ
特徴     :JFK国際空港 税関保護局主任 保護局長代理。嫌味な所はあるが、終始極めて正論を述べている。ただし自分の昇進、損得しか考えていないため人の事情や環境を鑑みることができず、冷酷な人物に見える。職務能力は高く、非常に優秀。アメリカ、ニューヨーク市街の地を是非踏みたいビクターと最後まで対立する。しかし最後はビクターのアメリカ入国を見逃すことで、器の成長の片鱗を覗かせる。ビクターが自由の身となったと同時に国境警備局長への昇進が決定する。

4.
名前     :レイ・サーマン
ニックネーム :サーマン君
アーキタイプ :ヘラルド(冒険への誘いを伝える、行動を促す)、シュレスホールド・ガーディアン
特徴     :JFK国際空港の警備員かつディクソンの部下。ヴィクターに空港を案内する。作品中、ほとんどディクソンの指示通りにしか行動することがない。そしてヴィクターに対して最初は高圧的に接する。そのためディクソンと同じくビクターの完全なる敵対者かのようである。しかし実のところはビクターを応援していた内の1人であることが、最後空港から出て行こうとする際に判明する。直接的に空港でビクターと最初に出会い、最後別れ、次の世界に送り出すのが彼。

5.
名前     :ジョー・マルロイ
ニックネーム :ジョー アーキタイプ :アライズ
特徴     :JFK国際空港の職員。貨物輸送担当。ビクターと友人になる。酒とマリファナを職場に持ち込み、夜中にポーカーに興じていたことがビクターへの脅しの種となる。

6.
名前     :エンリケ・クルズ
ニックネーム :エンリケ
アーキタイプ :アライズ(相棒)
特徴     :フード・サービス勤務。スペイン語圏のヒスパニック。入国審査官 ドロレス・トーレスにずっと恋をしていた。ヴィクターに機内食を提供する代わりにドロレスとの間を取り持ってくれるよう取り引きを持ちかけてきた。恋に盲目。ビクターの良き友人。

7.
名前     :ドロレス・トーレス
ニックネーム :ドロレス
アーキタイプ :シュレスホールド・ガーディアン(仕事を全うしているという点で)、アライズ 、ヘラルド
特徴     :JFK国際空港 入国審査官。エンリケに「ジャジャ馬」と言われるほどの堅物。しかし毎日諦めずビザ取得のため自分の元に通い続けるビクターのひたむきなその人柄に徐々に心を開く。

8.
名前     :グピタ・ラハン
ニックネーム :グピタ
アーキタイプ :アライズ 、メンター、シュレスホールド・ガーディアン
特徴     :JFK国際空港の清掃員。インド・マドラス出身。「アポを取ってるか?」が口癖。 このフレーズがいくつかの重要な場面のキッカケになる。 床をモップで濡らしておき、そこを通る人が滑って転ぶのを眺めることが唯一の楽しみ。初め、ビクターをスパイだと思い込むほど強い警戒心を抱いていた。23年前、汚職警察官刺し、アメリカへ逃亡してきた身のため。そのため出来るだけ目立たないように生活してきた。少々思い込みの激しい性格。特技はジャグリング。

9.
名前     :サルチャック
アーキタイプ :メンター(ビクターとの直接的な関わりはない)
特徴     :JFK国際空港 税関保護局長。ディクソンの上司。退任した後は保護局長の席をディクソンに譲ることになっている。長年の夢だった豪華クルーザーを購入。最低17年間は局長の座に座っている。マニュアル主義のディクソンに対して、時と場合による「人間重視と思いやり」の大切さを諭す。それを、ナボルスキー(主人公ビクター)から学べと言ってのける寛容さ、器の大きさ。

10.
名前     :ウェイリン
アーキタイプ :シュレスホールド・ガーディアン、ヘラルド、アライズ
特徴     :JFK国際空港の警備員であり、サーマンの部下。初めてビクターと会話する人物。密かにヴィクターを応援しており、ヴィクターがクラコウジアへ追い返されそうになった時、グプタに真実を伝え、ヴィクターのニューヨーク行きに一役買った。

3:世界観の説明

舞台はジョン・F・ケネディ国際空港(以下JFK国際空港)国際線乗り継ぎロビー。フライト中のクーデターによる祖国消滅のためパスポートが無効となりターミナルに閉じ込められてしまった男と、ターミナル内の従業員との交流と恋模様を描く。ロマンス及びコメディの要素を持つ。

主人公ヴィクターの母国とされるクラコウジアは架空国。劇中では東ヨーロッパの国とされている。クラコウジアを出発した直後にクーデターが起こり政府が倒れてしまったため、ヴィクターのビザもパスポートも無効になる。どちらも使えないとなれば、もちろんニューヨークの地に足を踏み出すことも母国に帰ることも出来ない。意図もせず無国籍になり宙ぶらりんの状態である。
新政府とアメリカ合衆国が正式に国交を結ぶまで空港内に留まることを余儀なくされた。つまり空港で生活をしなければならないということである。

乗り継ぎロビーの警備は薄いため、ヴィクターは逃走しようとすれば出来たが、どうしても達成しなければならないことがあると耐え忍ぶ。そこで様々な出会いが生まれる。空港内と限られた世界での人間関係が作品に深みを加えている。首都は下記の通りニューヨークだが、主な舞台はJFK国際空港のため空港内の世界観を記述することになる。それに加え主人公1人のみが特殊な環境に置かれているため、世界観は主人公視点になっている。

公用語:英語(主人公ビクター:クラコウジア語)
首都:ニューヨーク(ストーリーはジョン・F・ケネディ国際空港 国際線乗り継ぎロビーにて展開)
経済:ヴィクターの母国のお金は使用不可。そのため手持ちのお金がゼロの状態から生活を始める。最初は旅客用のカート返却のデポジット金を得ていたが、やがては大工仕事の腕が買われ内装業者として雇われて大金を稼ぎだすまでに。
社会保証:ヴィクターについては無国籍のため、空港内での保証はなし 。職員がヴィクターを呼び出すポケベルだけが命綱。 ヴィクターと関わる職員の中には犯罪者も。何故だか見逃されている。引退間近のサルチャックが関わっていたか。
教育:ヴィクター自身は母語のクラコウジア語と英語のニューヨーク案内を照らし合わせることにより英語を習得。その他にも空港内の書店(BORDERS)で得られるたくさんの書籍を読み込んでいる。その他職員については育ってきた環境の違いから、格差が見られる。
文化:JFK国際空港の職員間には、ベテランのグプタ清掃員を中心としたネットワークがある。
支配者:JFK国際空港税関国境保護局主任 保護局長代理 フランク・ディクソン。JFK国際空港内で大きな力を持ち、ヴィクターを追い詰める。そんなディクソンが恐れているのは査察官。保護局長への昇進が掛かっている。
面積:ヴィクターが生活できるのはJFK国際空港 国際線乗り継ぎロビーのみ。
国籍:上級職員は主にアメリカ国籍。ただその他の職員に関して言えば多国籍で、身分を隠しながら働く職員もいる。
歴史(ビクターの母国):クラコウジア共和国(架空国)
小国。東ヨーロッパ、ロシアの隣国。国内で軍事クーデターが起こる。終結したのは空港で生活し始めてから9ヶ月後。2004年前、1980年代から90年代にかけても紛争が起こっていた。独立運動のため。共産主義体制から新体制へ。
外交:ヴィクターにとっては母国とアメリカ政府の外交こそが重要。パスポートが認められ有効なビザを発行するために。

4:作品の分析

ログライン:祖国のクーデターにより空港に閉じ込められてしまった中年男性が、空港内の職員と交流を深めながら辛抱強く過酷な環境に耐え、父親との約束を果たそうと奮闘する。

シノプシス:アメリカ、ジョン・F・ケネディ国際空港の国際線ロビーに位置する入国手続きゲートにて、青く古ぼけた缶詰を持ったクラコウジア人のヴィクター・ナボルスキーが足止めされる。彼の母国であるクラコウジアにて彼の飛行機出発直後にクーデターが起こり、事実上クラコウジア政府が消滅してしまったのだ。そのため彼のパスポートは無効状態となり、入国ビザも取り消されてしまう。彼は亡命者でも難民者でもないためアメリカに入国することもできず、母国に引き返すこともできない。法の隙間に嵌ってしまった彼は一時JFK国際空港に留め置かれることになる。母国のお金も使えない彼は、まず職員に手渡されたテレフォンカード、食堂のクーポン券、ポケベルを基に空港内で生活を始める。
真面目に空港内で生活するヴィクターは、自分の昇進の目の上のたんこぶとなっているとして何とか空港から自分を追い払おうとするディクソンと次第に対立するようになる。空港で生活するうちに空港内で働く決心をし、立派に衣食代を稼ぐようになる。生活する中で清掃員のグプタ・ラハン、フード・サービス勤務のエンリケ・クルズ、入国係官のドロレス・トレースなど、たくさんの空港職員と親しくなる。そしてその生活の中でキャビンアテンダントのアメリア・ウォーレンと出会う。叶わぬ恋に悩む彼女に寄り添うことでヴィクターとアメリアは仲を深める。そしてヴィクターはフライトから帰ってきたアメリアに、大切に持っていた缶詰を見せながら、なぜ自分が空港で「待ち」続けるのかを明かす。
その翌日、クラコウジアの内戦が終結。パスポートを取り戻した彼は、アメリアのコネで手に入れた1日のみ有効の特別ビザを彼女から受け取る。相変わらずディクソンによる妨害がありつつも、たくさんの空港職員の応援のおかげで不法入国ではあるが無事アメリカに入国。そしてヴィクターは、ニューヨークのラマダ・インを訪ねるために9ヶ月間も空港で待ち続けた理由、「ジャズシンガー、ベニー・ゴルソンのサインを手に入れる」という父との約束を果たす。

第一幕(約35分)

1:日常世界
 アメリカ、ジョン・F・ケネディ国際空港(以下JFK国際空港)の国際線乗り継ぎロビーにて入国手続きを行う。

2:冒険への誘い
 ビクターのパスポートが無効状態となりビザが取り消されているため入国できないことが判明。彼が出国直後に母国のクラコウジアでクーデターが起こり、クラコウジア政府が消滅。事実上、ビクターは無国籍状態に。亡命・難民申請をすることもできない。「法の隙間」に落ちてしまったのだ。
ディクソンから、事が解決するまで国際線の乗り継ぎロビーで「待つ」ように言われる。行き場を失ったビクターは、乗り継ぎロビーに放り出されてしまった。

3:冒険の拒絶
 英語が拙いビクターは、テレビから流れてきたニュース内のクラコウジア国歌と簡単な英単語から、自分が異常事態に置かれていることを理解する。
サーマンから受け取ったテレフォンカードの使用法を周りに尋ねるも、誰も相手をしない。食堂のクーポンも落とし、ビクターは完全に孤立。

4:メンターとの出会い
途方に暮れるビクターは夜の空港で改装中の67番ゲートを発見。眠りやすいように自分の手で椅子を改造。トイレで体も洗う。生活していく覚悟を決める。そして、入国審査官ドロレスの元へ行き、ビザ申請を願う。ここで改めて「入国不可」を確認する。

5:戸口の通過
ディクソンに空港の外、ニューヨークへ厄介払いされそうになるも、「僕は待つ!」と、正式にニューヨークへ足を踏み入れることを主張。空港で生活していく、つまり、クラコウジアが平和を迎えるまで待ち続けることを決意した。
そして、旅客用カート返却のデポジットを受け取る、という25セントの稼ぎ方を覚える。自分で食費が稼げるようになった。さらに、テレビでクラコウジアに関してのニュースが流れても十分に理解できないもどかしさから、英語とクラコウジア語の「ニューヨーク案内」を読み比べるという、英語の学習も始めた。

【アメリアとはここで、転んで折れたピンヒールを通して知り合う】

第二幕(約70分)

6:試練、仲間、敵対者
順調にデポジットを稼いでいたが、新たにディクソン(敵対者)が設けた「乗客サービスに関わる運搬業務連絡員」という役職に仕事を取られてしまう。(試練)
しかし、再び振り出しに戻されたビクターの元へ、新たな仲間、支援者が現れる。仲間の1人、エンリケは、ドロレス入国審査官の情報提供を条件に、機内食を提供してくれるようになる。(仲間)

アメリアを食事に誘うため、テナントのアルバイトを探すも断られ続ける(試練)が、たまたま手掛けた大工仕事の腕を買われ、内装業者として雇われることに成功。エンリケ、グプタ、ジョーとも友人になる。

【密かに気になっていた女性、アメリアと接触することに成功。彼と上手くいっていなかった彼女は、ビクターと親しくなる。】

7:最も危険な場所への接近​
ディクソンにより勾留所に収容されてしまう。アメリアのプロフィールを仲間と協力して発見。偶然を装い、ロビー到着後のアメリアとビクターを引き合わせる。その晩の食事に誘うことに成功。これをきっかけに距離が縮まる。13日後のフライトから戻ってきたときに再会することを約束。

8:最大の試練
無許可で空港に薬を持ち込み、没収されそうになったロシア人のミロドラゴビッチが暴れ出すも、職員はロシア語がわからず手を焼いていた。そこへ駆り出されたのがクラコウジア人のビクター。クラコウジア語はロシア語と似ているため、彼はミロドラゴビッチの通訳を行う。機転を利かせ、ミロドラゴビッチの「父」の薬を「ヤギ」の薬として持ち出すことに成功。この事件をきっかけに、空港職員の間でビクターはヒーローとなる。

アメリアの早とちりから、すれ違う。ビクターの正体がはっきりしないことから。そこでビクターはなぜ自分がニューヨークに来たのかを打ち明ける。「サックス奏者 ベニー・ゴルゾンのサインを手に入れる」という約束を父としたため。ビクターは約束を果たすために空港で生活をしているのだと告げた上で、アメリアのことが好きだ、「私はあなたを待っている」と告白。

9:報酬
 ようやくビクターの思いがアメリアに通じ合う。翌日、クラコウジアの戦争が無事終結する。バーでは職員たちから盛大な祝賀パーティー。アメリアからは1日の特別入国ビザを受け取る。しかし、アメリアはビクターの元から離れ、別れたはずの彼とよりを戻してしまう。

第三幕(約20分)

10:帰路
 ビザ申請のため特別入国ビザを持って入国審査官 ドロレスのもとに訪れる。無事アメリカに入国できるかと思いきや、管轄の責任者のサインがないビザは無効だという。ディクソンと対峙しなければならない。

11:復活
ディクソンにニューヨークへ行く意思を伝えるも、ジョー、エンリケ、グプタの人事を脅しの種にされ、無念ではあるが故郷クラコウジアへ帰ることに。
脅されていたことをウェイリンから聞かされたグプタは、自身を顧みず、ビクターのためクラコウジア行きの飛行機を身を挺して止める。(犠牲)
こうして空港の仲間たちに背中を押され、空港を出てニューヨークへ向かうことに。ニューヨークへの扉を前にしてサーマンたち警備員が立ちはだかるも、最後背中を一押ししてもらう。ディクソンも、不法入国ではあるが、ニューヨーク市街へ旅立っていったビクターを見逃した。無事アメリカに足を踏み入れたビクターは、アメリアの姿を認める。笑顔で送り出してもらう。

12:宝を持っての帰還
 ニューヨーク市街のラマダ・インを訪れたビクターは、ラウンジで演奏するベニー ・ゴルゾンと対面。無事サインももらう。(宝)目的の達成。
タクシーに乗り込み、運転手に行き先を聞かれると「家に帰るんだ」と一言。サインを缶詰の中に大切そうにしまう。ビクターを乗せたタクシーはニューヨークの街の中へ。(帰還)

まとめ

全体的に「ヒーローズ・ジャーニー」のバランスが良い。ただし、アーキタイプに関しては各々登場人物全てがそれぞれのタイプを完璧に有しているかといえばそうではない。様々なタイプの特徴が少しずつ、バランスよく混在している。これが、より現実世界の人間と近いキャラクター像を生み出し、鑑賞者に共感を呼び起こす要因なのではないか。
キーワードは「待つ」。受動的態度が批判され能動的行動が評価されるこの時代に「耐え忍ぶ」の精神。このような大きなテーマを暗示させるセリフ、背景、エキストラ、また、次の場面につながるヒントが必ず盛り込まれている。ストーリーに関係のない無駄な小道具は一切ない。詳しく観てみると、たくさんのモチーフが随所に散りばめられていることに気づく。
善悪の対立からの「主人公の成長」というようなストーリーではなかった。究極のゴールは「相手に奉仕の手を差し伸べる」ことである。

−−−ここまで。

と、こんな感じで人間がシーンを区切って分析していきました。映画は構造上2時間程度で終わるので、非常に構造分解がしやすく、神話理論を覚えるのにうってつけです。それもそのはず、三幕理論はハリウッドの映画の基礎理論であり、PIXARのStory in a boxでも語られていますが、物語の流れには基本的な筋が存在しています。この筋の事を世界で始めて理論に落とし込んだのがアリストテレスの詩学=ポイエーシスになります。そこから進化し、神話を集めて同じ結論になり、発展させたのがジョセフ・キャンベルの神話理論=ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅路)であり、それを映画に応用して確立させたのがディズニーの脚本家のクリストファー・ボグラーの物語の法則=ライターズ・ジャーニーとなります。その後も様々なロジックが出ていますが、このロジックほど普遍的に利用できるものは現在のところ出ていないと思っています。

ココらへんについてはフィルムアート社の書籍が詳しいので、高いですがぜひ揃えてみましょう。



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