えんとつ町のプペルはイノベーションの塊だ

作家にしのあきひろさんの作品、えんとつ町のプペルが快進撃を広げるとともに、物議も醸し出している。それは、突然のフリーミアム宣言だった。

お金の奴隷解放宣言。

“SNSで誰とでも繋がれるようになり、『国民総お隣さん時代』となりました。ならば、お金など介さずとも、昔の田舎の集落のように、物々交換や信用交換で回るモノがあってもおかしくないんじゃないか。
「ありがとう」という《恩》で回る人生があってもいいのではないか。
もしかすると、『本』には、その可能性があるのではないか?
そんなことを思い、
そして、
一度思ってしまったら、行動せずにはいられないタチなので、行動します。
今日をもって、『えんとつ町のプペル』を無料にします。
– 「魔法のコンパス」より引用-

私はIT畑なのでフリーミアムが一つの戦略として問題がない事を理解しているので、これは良い戦略だと思っています。既に回収済みのコスト、相当な売上、次の作品のための認知向上による広報・マーケティング施策としても十分に回収できているし、実際に読めて良かったという声も聞こえています。実際に、所有するという事と単純に読みたいという欲求は必ずしも一致しません。所有欲を掻き立てる物にどう仕上げるのかが重要である。紙に印字されたインクの匂いと、めくるという行為まで含めて絵本であると言えばそう言えます。

読みたいだけなら図書館が入荷するのも待つのもありだと言う意見も散見されました。だから、Spotlightに掲載する必要はなかったのではないかと。(なぜ自分のブログではなくてSpotlightだったのか、Spotlightがマーケティングコストを負担しているんではないかなどと邪推もありますが、ここは一旦おいておきます)しかし、読みたいという欲求は今、この瞬間に最大に高まっているのであって、逆に価値の最大化をするならば今しかないわけです。

しかし、そもそもにおいて、買いたい人は買うし、読みたいだけの人はどうやっても読むし、興味がない人は興味がないし。お金を払う人の顔色をうかがえとは言わないが、人にそれだけ必要とされているものを作ったという事実はすごいこと。無料化によって、だからお前も無料にしろと圧力がある可能性があるからそれはだめだという論調はちょっと違うと思います。

そもそも絵に、ストーリーにパワーが無く、戦略性も無いままに自分が作りたいように作ったものを、理解できない奴が悪いという方向で、マーケティングせずに作ったら売れませんというのは当然です。それで売れたら本当にまぐれ当たりでしかありません。プペルの場合は、考え抜いた末の作品だからこそ人に受け入れられる確率が上がるわけです。そうでなければ地道に継続していくしかないのです。

1回のまぐれ当たりを期待して諦めるのと、自分たちを信じてくれる人が一日、また一日と増えるのとどっちが良いのだろうか。そう思うと、認知が低い人達がオープンイノベーションに走るのは悪いことではないと思う。価値とは後からついてくるわけです。西野氏がすごいのは制作過程の見える化も資金調達も、マーケティングもすべてオープンにしたことです。最後には作品そのものもオープンにしてしまいましたが売上は伸びました。本の特性上、立ち読みを認めているところもあるわけだし、図書館で借りた本を所有したくなるわけだし、戦略上何も間違っていないわけです。

声優・明坂聡美の危うさ。

※今回、『えんとつ町のプペル』の無料公開で入ってきた広告収入はSpotlightさんの許可をいただき、被災地の子供の学びを支援するNPO団体に全額支援することになりました。

どうやらSpotlightさんの善意で寄付になったようですね。


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