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【StoryAIユーザーボイス】Vol.1 現場叩き上げの脚本家・長谷川徹さん

 リリース直後から、多くのクリエイターに使っていただいている StoryAI。ユーザーにうかがったお話の一部をご紹介します。第一弾は、テレビドラマの脚本家で、近年は映画監督にも挑戦されている長谷川徹さんです。
 

期せずしてタイムリーなタイトルになった作品『不倫ウイルス』

川合:お時間いただいてありがとうございます。早速ですが、StoryAI ではどんな作品のシナリオを解析されたんでしょうか?
長谷川:『不倫ウイルス』という長編映画のシナリオです。初監督した短編映画『失恋科』が映画少年映画祭でグランプリを受賞して助成金をいただいたので、クラウドファンディングで集めた資金を合わせて自主製作している監督第2作です。
川合:コロナ禍の今、タイムリーなタイトルですね。
長谷川:これはまったくの偶然なんです。昨年12月にプロットを書き始めて、新型コロナが報道されたのは確か年明けでした。おかげでいろんな意味で困ってますが(笑)。
川合:どんなストーリーなんですか?
長谷川:不倫は人間性の問題じゃなくて、人間に伝染する新型ウイルスが引き起こす病気の症状だったというお話です。『失恋科』が「失恋の傷」を癌に見立てたお話だったので、『不倫ウイルス』は「浮気の虫」が実在していた、みたいなことで。
川合:出演者もとても豪華ですね。
長谷川:みひろさん、堤下敦さん、川上奈々美さん、『カメラを止めるな!』のしゅはまはるみさん、おかげさまで自主製作映画とは思えないキャストに出演してもらってます。
川合:いつ、どこで観られるんですか?
長谷川:それが公開は未定でして……。もともと東京国際映画祭に出品したいと思っていたんですが、緊急事態宣言の影響で撮影期間が大幅にずれたので現在も編集作業が続いています。決まり次第、ご案内させてください。
川合:ありがとうございます。その際はこの記事にも上映情報をアップデートしますね。
 

▼『不倫ウイルス』クラウドファンディング・プロジェクトページ

 

▼前作『失恋科』トレーラー

 
 
 

将棋ソフトのように、人間の想像を超える提案を期待

川合:作品を StoryAI で解析してみようと思ったきっかけはなんですか?
長谷川:将棋でAIが棋士に勝ったとか、AIが書いた小説が文学賞の一次選考を通過したとか、AIには前々からロマンを感じていたんです。それでTwitterにプレスリリースが流れてきて、シナリオ業界にも遂にビッグウエーブが来たかと(笑)。
川合:解析結果を見ていかがでしたか?
長谷川:自分で想定していた感情曲線とほとんど一致していて、その精度に驚きました。波形の意味合いを詳しく知りたいと思ったので川合さんにコンタクトした次第です。
川合:納得感を感じていただけたようでよかったです。一方で、これは間違ってるんじゃないかという箇所はありましたか?
長谷川:暗喩表現だったり、セリフの「……」だったり、医療的な専門的用語も正しく解析されていないと感じる箇所がいくつか。カットとカットの繋がりで生まれる効果もちゃんと解析できているのか不安な箇所もありました。一方で、座り芝居の会話シーンを面白くないと解析したのは正しい指摘でした(笑)。テンポを上げた編集で解消させてもらいます。
川合:おっしゃるとおり、学習データ量が足りない部分はありますね。何でもかんでもたくさん読ませればいいわけじゃなく良いシナリオをAIに学習させる必要がありまして、データソースを集めるのが実は大変な作業なんです。これは徐々に改善させていきます。 川合:今後、長谷川さんの作品づくりにおいて、StoryAI にどんなことを期待されますか?
長谷川:将棋ソフトが人間の思い付かない手を指すように、人間の引き出しになかったアイデアを出してくれたらいいなと思います。私が35手先までしか読めていないとすると、36手目をStoryAIが提案してくれたら嬉しいな。
 
hasegawa
 

脚本家で売れたい。だから映画を撮る。

川合:長谷川さんはもともと脚本家ですよね。映画監督に挑戦されたのはどうしてですか?
長谷川:逆説的かもしれないですが、ドラマの脚本家として売れたいからですね。テレビ局の数字(視聴率)に対する意識は非常にシビアでして、プロデューサーは数字のためにネームバリューや実績のある脚本家を使いたがります。そんな方でも原作モノの脚色でオリジナルを書かせてもらえない状況があるので、私みたいな若手は滅多に打席に立てません。 それで悩んだ結果、自分で打席を作ってしまえばいいと考えたんです。芸人さんや放送作家さん、異業種からドラマ脚本する人が増えているし、自分も映画監督の実績を引っ提げて脚本の打席数を増やせればと。もちろん監督業も楽しいから続けますけどね。
 

案外みんな、創作論の基本をすっ飛ばしている

川合:挑戦してみて手応えはいかがでしたか?
長谷川:演出力はまだまだ未熟だと実感しましたが、着眼点、発想力、構成力、セリフ力といった脚本家で鍛えられたスキルがあれば十分戦えると思いました。いろんな映画祭を回りましたが、シナリオに関しては独りよがりなノミネート作品も多いなと感じたので。
川合:過激な意見ですね(笑)。具体的にはどういう部分でそう感じたんですか?
長谷川:LGBTに家族愛、若者の青春に恋愛、テーマや題材がかぶってる作品がいっぱいありますよね。切り口が目新しいわけでもなく……。よく言えば作家性ですが、キャラクターの行動やセリフに共感できなかったり、偶然は何度も起きるし、展開が遅かったり、話が前に進まなかったり、カタルシス、気持ちが浄化されないで終わる作品も普通にあります。要するに大衆性が欠落してるんですね。みんな、シナリオの勉強はしないのかなと……。
川合:ハリウッド映画や日本の商業映画に対するアンチプロットに挑戦するにしても、アークプロット(王道ストーリー)やミニプロット(内的葛藤)への理解は必要ですよね。
長谷川:そうなんですよ! 亡くなられた歌舞伎役者の中村勘三郎さんが、同じようなことを言っているんです。うろ覚えですけど、「基本の型を知っているから型破りが出来る。そもそも型を知らなければ、それは単なる型無しだ」って。
川合:王道を学ばずにいきなり崩した物語をつくる人は、結果として伸び悩みます。
長谷川:はい。ただ、そういう作品を好む映画祭もあるから悩ましいです。……審査側の趣味嗜好じゃなくて、それこそAIでシナリオの善し悪しを客観的に判断する映画祭があればいいんじゃないかなぁ。
 

シナリオだけを純粋に評価する、StoryAI映画祭

川合:それは面白いですね! 忖度とか個人的な好みを抜きに、フラットに判断するStoryAIを広く知ってもらえるきっかけにもなります。
長谷川:StoryAI が選んだ一番おもしろいシナリオをプロが映像化するとか、それを劇場公開やネット配信してしまうとか、いろんな夢が広がりますよね。本当にヒットしたら、オリジナルでもシナリオがよければちゃんとヒットするんだって証明材料になるし。
川合:前作の売上がいくらだからとか、原作ファンやタレントファンが何人いるからとか、コンテンツそのもの以外の数字で評価が決まるのって不健全ですよね。業界の未来のためにも、ぜひ一石を投じたいです。
長谷川:StoryAIのおかげでオリジナル作品が増えるようになれば最高です。
川合:今日はいろんなお話をありがとうございました。AIが審査をするStoryAI映画祭、StoryAI主催で必ず実現させたいので今後ともご協力をお願いします。
長谷川:実現したあかつきには私に監督をさせてもらえれば(笑)。というのは冗談ですが、こちらこそよろしくお願いします!
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<了>
 
 

本ブログのStoryAIでの解析結果になります。

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