よく誤解されるので、言っとくと、StoryAIは儲からんわけですよ。それでも、やる意味はあるからやっているわけです。...
StoryAIが目指すAIの本当の目的
今日は粛々と開発を続けている、「利活用のAI」についてお話します。
まずは、ここで言うAIとはSFで言う所のAIでは無く、処理を自動化するもの、機械が判別するもの、これまでは人間でなければ理解し得なかったものが、機械でも分かるようになり、アウトプットが比較的正確に出力される事ができるようになったぐらいでお考えください。SFのような弱いAIが出来ているわけでも、超高精度な車の目のようなAIが出来ているわけでもありません。
その前提でお話すると、IBMのWatsonのAPIを繋ぎこみ、そこからの返り値を使っています。ただ、GoogleもIBMも全く同じことを言っていますが、AIの本質はデータセットにあります。だからデータセットを作る人間はその道のプロでなければ作れません。ここに従来のAI科学者が達成し得なかった領域へのチャレンジを文系学者の知見をインストールすることで0.5歩先の未来を作ろうというプロジェクトでもあります。
まず、第1段階として、物語の盛り上がりの可視化と言うものに取り組んでおり、グラフによる物語の盛り上がり解析を行っています。これは既に実証済みで、いつでも提供できるのですが、最近APIの仕様が変更になったため作り変える必要が出てきており、再検証中のためまだ世に出していおりません。
この時のデータセットとして、文章構造とキャラクターセットとそのアノテーションが必要になるように設計してあり、ここがStoryAIという解析エンジンの独自アルゴリズムとなっています。現在は英語のみ対応ですが、機械翻訳でもどの程度精度が出るのかなどを繰り返しテストしており、問題なければアルゴリズムを見直した上でリリースしようと考えています。
ここまで来ると、なーんだと思われる方も多いと思います。そうです。現段階では難しいことはしていません。どちらかというと我々の仮説である、神話フレームワークに従ったデータセットで正しく機械はトレースできるのか、トレースさせるための仕組みはどうすべきかを研究しています。
その答えはだいたい見えていて、まぁ出来そうですね。そんな感じです。我々はいかに人間からみて違和感がないかに重きをおいています。これを認知バイアスといいますが、正しい答えかというよりは道具として正しいかを求めています。
それをリリースし沢山の人に使ってもらい、解析結果を大量に集めることで精度をあげようというのが第一弾。
そして、そこが出来ればチューリングテスト的なものが必要な、エディターズAIを作る段階になります。売れるのかどうかという点で言えばファクトは過去のKPIとして存在するでしょうが、それよりも、人の心に残り続けるか、消費されない物語をどうやって生み出すのかという方がずっと重要だと感じています。このエディターズAIを過去何度も何度も説明してきた時、勝手につけていたのが「佐渡島AI(仮)」でした。コルクの佐渡島さんの名前を勝手につけていました。佐渡島さん、ほんとすいませんでした。
ですが、ご縁があってコルクラボに参加してお話しているうちに、あながち間違ってないなと感じるようになりました。やはり、アリストテレスの詩学を提示されて読んでみて思ったのは、なるほどすべての脚本家のベースとなるリベラルアーツ(教養)はここにあるのか、でした。佐渡島さんの指向性も多分消費されつくされないストーリーをどうしたら売れるか、売ってきたのか、売れる作家をどう見つけどう育てるのか?のような気がします。
100年残る物語はそう簡単には作れません。ですが、そこを目指そうと努力することは出来ます。もちろん、大衆小説が勝手に100年残っている例もたくさんありますが・・・、そういったまぐれ当たりだけを見るのではなく、ヒットをどう量産するのか、ふつうに凄いをどれだけたくさん見つけるのか、そこにトライすべきかというのがわたしの見解です。
ですので、話を戻すとエディターズAIは先のグラフ化し係数化したものを比較することで、やりたい事と実際の内容の差分を検出することは出来ると思います。そこから、足りないファクトをどう見つけていくのかというところにチャレンジがあります。XORから探し出す必要があるので結構難題ですが、Chatbotとして答えは見つけられるでしょう。
今、使いたいものではないかもしれませんが、将来に渡り体幹トレーニングみたいなものですのでしっかりした物ができてくると思います。
わたしは表面的なモノは創りたくないのです。