よく、あなたはいったい何がしたいんですか?と聞かれます。 ...
僕たちは「定規」を作っただけなんだ
よく誤解されるので、言っとくと、StoryAIは儲からんわけですよ。それでも、やる意味はあるからやっているわけです。
そもそも、これは不可視な物語りの波形を演算して人間にわかるようにした「ものさし」です。それ以上でもそれ以下でもありません。
なんのためにやるのかと言うと、コンテンツ作りをする人間に余計な問題(=お金)から少しでも開放するため、スコアリング化することが大事だからです。定量評価出来るようになると、リスクだと思われてきたことが解決できて、お金が回るようになります。
そのためには資金の流れも追わなければいけないし、その開発工程も管理しなければいけない。
企画の段階で潰せばそれ以上余計なお金はかからないし、その話が駄目ならばどこが駄目(悪いのではなく、気に入られなかったのか)がわかるようになります。つまり、企画側も造り手側も不毛なバチバチにならないし、コンテンツに疎いと言っている金融機関も数値があるから「まだわかる」という状態になります。
ということは、これは誰にとってよいのか?というと、地方とかでお金がないから作れないともがいている人のパワーになるんです。そして、地銀に眠っているはずのお金が回るんです。信金だってお金が貸せるかもしれないし、出資もしやすいかもしれません。いい加減製作委員会方式を超えるものを作るためにはデータドリブンになる必要があります。しかし、出してからでは遅いし、1作品作るのに早くて数ヶ月、遅くて数年掛るわけですから、最初に潰すしか無いのです。
結局の所、原作付きしか作れないのは、原作ファンが一定量いるから売上が見えるからです。それはリスクを取っていませんし、原作ファンが期待していたものと違えば評判は下がります。
だったら、それってリクスを取っていないようで相当なリスクを内包しているわけです。…可笑しくないですか?
だから、こっちは機械学習や深層学習基盤は使いますが、あくまで汎用モデルでしかやらず、コーパスだけが特徴となるので、精度を求める系というよりは、大まかな判断の元、プロジェクトマネジメントに重きを置く、そういう仕掛けになります。
むしろ、そっちの方がとても大事で、未来予測よりも、お金をかけるべき内容か、お金をかけないほうがいい内容か、ミドルリスク・ミドルリターンになるようにチューニングするためのものなんです。
結局、こだわるのは人間ですから、どんだけ物語りが破綻していても、映像で挽回するパターンもたくさんあるし、歌が良かったということもあるでしょう。それはそれでいいと思っています。
問題は、尺度が無いことが問題なんですから、まずはそこを一本軸を通してあげるだけで、なにかが変わるんじゃないんですか?そういうアプローチなんです、StoryAIは。
正直、未来予測系AIは数年先は見えても、10年先は見えないと思います。
時代の空気感やサイクル性などもあるだろうし、人間は進化し続けるわけですから、型にはまった作り方していても意味がないのですが、適切な配分を管理するというパターンに置いてはとても大事なのです。
結局の所、これを作って誰も使わなくても僕らの作品や僕の周りの人には提供するので、その人達が5年後10年後どうなっているのでしょうか?そういう未来も面白いと思いませんか?
そういう話です。