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空想が自らの貧困を救う世界を作る

 私がちょうど4年前の2014年2月に起業した時、I have no ideaでした。その時も本を書こうと思ったものです。小説ですね。小学生の時から本を読むのは好きで、年間300冊弱読んでいて、学校で表彰されたものです。
 ですので、空想の世界に溶け込みたいという思いはとても強かったのです。しかし本来は放送、出版や映像といった世界に飛び込むべきだったのかもしれませんが様々な事情から、そのような世界には飛び込まず、霞が関を顧客とするとても深くてDeepな社会を構成する仕組みを作る体制側で仕事することになりました。
 話を戻すと、その作品を作っている途中で情報の取扱の煩雑さからツールを探したのですが自分にピッタリ合うものがなかったため作ろうと考えたのが始まりでした。その際、ものもないのにPitchに出たのを覚えています。その時に知り合った方は未だに知人としてお話する中です。
 さて、そのPitchをした時に私はなんと書いたのか。当時のソリューション名はepicnotesでした。ドメインが取られているのでその後変えてしまうのですが、このepicnotesから現在のStoryAIとprepothの仕様は驚くほど変わっていません。ただ、現実的にもっと武器を尖らせたというのはありますが、根本が変わっていません。
さて、そのPitchの結論もその後も一切替わることはないのですが、次世代の宮崎駿さんを探し出すと書いてあります。これはその人を見つけ出せば自分たちがプロディースして儲けようという意図ではありませんでいした。
 そういうことではなく、貧困をたった一つの創作アイディアが世界中に波及し、それを使って誰かが作品を作り、その作品が公開されていき、そこで得た収益がその子とその家族に還元されていくという流れができればとても美しいだろうと考えました。
言い方は汚いですが儲かるプラットフォームであれば必然的に沢山の人が訪れます。実は数を打たなければ探しものは見つかりません。そして、その才能は年寄りから生まれでるものでもなく、既存の枠組みに慣れたクリエイターやアーティストからは出ないだろうと、プロデューサーの鈴木敏夫さんも言っていたりします。そこで、私はそういう才能はが生まれるのはどこか?と考えました。
 それは、人口が多い国です。当たり前ですが、人口が多い国は才能が生まれる確率が1割だとしたら、そのまま跳ね返るわけですから当然です。そして、もう一つが若年人口になります。私はこのepicnotes時代からずっとベンチマークしていた国があります。
それは【インドネシア】です。この国はイスラム教の国ですが、急速にその人工が拡大しており、特に若年人口が成長しています。25歳以下が60%を超える、若者大国です。40歳以下が80%ですから、高度経済成長期の日本みたいなものです。
どうして、中国とかインドを相手にしないのか。一つは巨大するギルマーケットだからです。自分ではコントロール出来ないことが多すぎる。次に、政府が強い。自国の産業を伸ばすことが最優先であり、外国企業は基本規制されます。戦いづらいわけです。
となると、規制が薄く若者人口が多い国を目指すべきだという結論になり、東南アジアとアフリカの先進国をターゲットだと考えました。ただ、このときはどのようなプロダクトを出すべきだとか、マーケティングをどうすべきだとかは全くやり方も判らず、とりあえず自分が使いたいものを出そうと躍起になりました。
 しかし、プログラムが出来ない自分が独学で覚えるには中々大変でしたし、お金なんてすぐに尽きるので、受託のPMみたいなことをやりながら少しづつ少しづつがんばりました。
 当時はアクセラレータブームの始まりでしたから、いろんなアクセラレータに応募しました。たまにはオウンドメディアからの取材が来たり、リクルートのサンカクを使って色んな人と出会ったりしました。もちろんたくさんの失敗もあったのですけれども。Wantedlyもたくさん使いましたが、この領域かつベンチャーという条件ではよい出会いを引き寄せることは難しかったのかなとも思いました。
 やはり、プロが求めるものと、そこを目指す人と、趣味で書いている人では求めるものが違いますから中々ペインポイントが定まりません。そんな最中、理解者が出てくるのですが、やはりこういう分野というのは世界的に見てもコンテンツ以外に投資が回っていない事を考えても、ピポットをすばやくすべきだったのではないかと頭を過ることはたくさんありました。
しかし、このブログを書いている今日まで、様々な出来事に会いながらも、時には逃げ出したくなる日もありましたがその理念や思想が残り続け、次に向かって一歩、また一歩と進むさまを見ていると、これも運命なのかなと思ってきます。
もちろん、私も大人ですから幾つかの点で並行して動き、ピポットする動きは見せていますが、StoryAIやprepothの先にある世界を見たくて今はとても楽しみです。
 やはり、次の宮崎駿候補の子どもたちがアジアやアフリカから出てきて、その子達の始まりが私たちが作ったプラットフォームであり、そこで幾ばくかのお金を稼ぐことが出来て、ハリウッドに学びに行ったり、より多くの対価を得たりしてくれることが望みだったりします。
 実はここらへんの仕組みは一昨年の12月にリリースしたServiceに実装済みでしたが広報が下手くそすぎて上手く伝わっていませんでいした。また、当時の私がスマートコントラクトを理解しておらず単一データベースで情報の継承を行うような仕組みを作っており、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスベースで考えていました。しかし、Ethereumベースのスマートコントラクトを使えば最低限のフォーマットさえ統一されてしまえばその情報の貸し借りを可視化でき、またその台帳管理の仕組みから、貸出してよい人・悪い人(法人含む)を判定する、与信の仕組みも構築できるわけですから、より安全かつシームレスに著作権の管理が用意になると考えています。
 このような事を行うと、協会を作るなど業界団体を必要としがちですが、私はデファクトスタンダードを作る方が早いのかなと思っています。オープンソースにしてこの仕組で各企業などのコンテンツプラットフォームに実装してもらえれば、ライセンス管理は容易になりますし、包括契約か個々の契約なども個人と法人の垣根を超えて進むでしょう。
 インドネシアの少年が考えた神様を日本のクリエイターがモデル化して、ハリウッドの脚本家がストーリーを作り、そして映画となって公開される。パクられたとならないようにきちんとした権利の主張が出来る仕組みが必要だと考えています。
そして、アイディアに価値がないという人たちに、アイディアこそ利益の源泉であると思ってもらいたいわけです。
 人はその知恵の実を食べた瞬間から、知識や創造する力を元に今日まで生命体として生き残ってきました。ですが、人はそのアイディアそのものに価値を見出さないというのは神をも冒涜する所業ではないかと考えるわけです。もちろん、デプロイする人は偉大です。形にするのは大変ですから。しかし、その形にするのと同じぐらいアイディアを生み出すことは尊いものですから、たった一人の少年が妄想したものがある日価値を生み出すというサクセスストーリーを私は見てみたい。
そして、それで貧困などから立上り、トリクルダウン効果を発揮して欲しいと思います。まさにコンテンツによるベーシックインカムだと言えるでしょう。
 最後にこの話も妄想かもしれませんが、私が生み出したStoryAIも最初は誰も信じてくれませんでしたが、今はその存在を疑う人は減りましたし、応用を考えてくれる人が増えました。つまり、このスマートコントラクトによるプラットフォームもいずれ必ず完成し、必ず億万長者が生まれ貧困から脱出する人が生まれるでしょう。
私は、今日もその日が来ることを信じながら一歩一歩進んでいきます。