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StoryAIでM1の決勝を予測してみた。見取り図編

 いよいよ、この解析もトリを飾るのは昨年のファイナリストの一角「見取り図」さんです!どんなグラフを出してくるのでしょうか!?
 
 
 

M-1グランプリの公式サイト

 
 

注意事項

 本分析はあくまで、二回戦の公開されているお笑いを書き起こし、解析したものです。先日の準決勝のデータを元に解析したものではございません。そのため二回戦から決勝まで約2ヶ月ほどあるので、改善はされていると思います。
 あくまで二回戦時点で将来予測できるのか?というエンタメとしてごらんいただきつつ、StoryAIって何をするものなの?という事を肌で感じてもらえればと思います。  また、順位予想については、当日の敗者復活戦を待って、番組が始まる直前ぐらいに出してみたいと思いますので、12月20日までお待ちください。(敗者復活の結果は番組中に決定するため、事前予想を出しつつ、適時修正をする事をお許しください)
では、張り切って行ってみましょう!
 

見取り図とは?

 
 
 見取り図さんは、ツッコミ担当の盛山さんと、ボケ担当のリリーさんのコンビです。結成は2007年でNSC大阪の29期生でもあります。同期の方には渡辺直美さん、ジャングルポケットさん、さらば青春の光さんなどがおり、実力的にも全国行ってもおかしく無いはずのコンビです。
 
 この数年はM-1のファイナリストとして3年連続出ており、ポジションとしては昨年の和牛さんに相当すると思われ、上沼さんから突っ込まれるかもしれません。(2017年は敗者復活戦)
 
 2018年のファイナルでは5位、2019年のファイナルでは9位と順位を下げており、分析しすぎてから回った可能性もあり、素直に実力を出せれば余裕でいけると思われるお二人です。そろそろ決着をつけたいのではと思います。
 
◆二回戦のネタは?
 見取り図さんのネタは6分46秒からとなります。この組には昨年のファイナリストで敗者復活に出場するからし蓮根さんもおられます。
 
 ネタとしては、「もし盛山さんが結婚したらどう言う結婚式になるのか?」というネタをリリーさんが司会の女性を演じて説明してくれます。結婚ネタはニューヨークさんも取り上げていて、今年は歌ネタと結婚ネタとトレンドがあるみたいですね。
 
 その中でも、結婚式のドタバタをやると言う演出がずば抜けていたのですが、所々のネットネタがお茶の間にどこまで伝わるのかがキモかなと思いました。若い人には伝わるネタも、高齢者にどこまでピンとくるのか。私としてはグラフを見るまで、その一点だけが気になっていました。
 
 さて、StoryAIはどのようなグラフを導いたのでしょうか?
 

お笑い評価結果

mitorizu

 ということで、見取り図さんのグラフをみた時に思ったことは、本当にバランスがよい素晴らしいお笑いだ!と言う点です。
 

グラフの見方について

  • 相対値であり、数字そのものにはあまり意味はない。
  • 青が場の活性/不活性を表現。
  • 数字が高いと場が活性、低いと不活性と表現。
  • 活性だから良い、不活性だから悪いわけでは無い。
  • 青いグラフはリズムであり、青の密度が濃いとテンポが良い作品。
  • 意図しない激しいV字の谷や、L字の崖が見えたら改善ポイント。
  • プロの作品は推敲がされており、一般的に密度は総じて高い。
  • 赤いグラフは全体俯瞰のために使う。作品の流れを表してくれる。
  • 作品の流れが意図した方向になっているのかをチェックする。
  • 赤いグラフは統計により傾向が存在する。
 淀みのない波形がついに出た!と、スタッフ一同このグラフを見た時「おぉ……」と言う感嘆しか出ませんでした。
 
 何がそう言わせたのかと言うと、赤いグラフがまずは綺麗なMan in a HoleというV字回復型の物語構造を示していて、これはアベンジャーズなどの脚本でも実装されている一番売れる作品に見られるパターンです。
 
 ただし、欠点としては、派手な仕掛けが無いと売れないので、広告宣伝が必要と言うところが問題になるのですが、普遍的で壮大なお話はこの形になります。
 
 次に、上振れがほとんどないため青いグラフの密度がとにかく濃い点にあります。センテンスの数も90以内に収まっておりとてもバランスが良く、久々にこの形見たなと、なかなか出ないので感動してしまいました。
 
 確かに、昨日のマヂカルラブリーさんもニューヨークさんも、広義の意味ではV字型のMan in a holeなんですが、両方とも最後で帳尻を合わせているんですね。ところが、この見取り図さんはきちんと話の中盤にポイントを合わせてきているから、バランスが良いわけです。
 
 気になる点としては2点あって、1点目は始まりの部分が少しグダついていたこと(苗字がエミさんねと言う部分)、もう一つは2分過ぎの以下同文の凹みです。しかし、前から言っていますが、V字の谷は意図的であれば問題ありません。
 
 「以下同文。」の次できちんと笑いが取れているので、これは計画通りだといえます。そうなると、つかみの部分を少し改善するところと、4分にした時のバランスの作り方がどうなるのか?と言う点ですね。
 
 懸念していたウーバーイーツのところも問題なくしっかり回収できていたのでよかったと思います。ここで言う回収とは中盤のネタ振りをオチで回収と言う構造と、笑いを取れているのか?と言う点です。
 
 ほとんどのコンビが中盤の振りがなく、オチをオチとして設計しているため、見取り図さんはストーリーとしてのオチを意識されているため、私は唯一全体を見て設計したお笑いなんだと感じました。
 
と言うことも踏まえて、このグラフはこの時点ではほぼ完璧だと思います。
 

◆ネタを現代的にアップデートするか、しないか

 最後に、現代的に配慮するかどうかと言う点があげられます。それは、このネタでは盛山さんが二人いてキスしたら気持ち悪いやろと言う部分が前半であげられていますが、LGBTを配慮するともうちょっと違う感じが良いかもと思いました。すると、こんなのはどうでしょうか?
リリー「新婦、キボ愛子さま」
盛山 「ほぼ、宜保愛子みたいな感じですねぇ、えぇ」
リリー「会場がざわついているので、ご説明しておきます」
盛山 「なんで、会場ざわついているの?」
リリー「ウェディングドレスをきている方が、愛子さまです」
盛山 「え?俺の嫁、俺に似とるの!?最悪やねんけど!?」
リリー「愛に容姿は関係ないのが今風です」
盛山 「今風て!でも、努力はもうちょっとして欲しかったわ」
リリー「盛山様も努力をお願いします」
盛山 「俺、司会に説教されたやん!でも、たしかに……」
 みたいな、感じとか。女性が太っている、またはそう言う容姿なのは最悪だみたいな流れは引っ掛かる人には引っかかるので、ステレオタイプな価値観をうまくスルーして、多様性が大事なんだ見たいな出だしが入ると1分までのグダつきを解消できるかもしれません。
 
 普通の男の素直な気持ちなので、ツッコミ様がない部分ではあるのですが、それでもうまく笑いに変えて欲しいなと思います。
 
 もはや、コンプライアンス漫才という領域を作り出さないとあかんのかもしれません。
 
(本記事は2020年に掲載した記事を一部修正して掲載しております。)
 
◆本記事の解析結果
mitorizu2
 
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 上記のようなコンテンツ状態をグラフで把握し、チーム内で共有することで、コンテンツの中身をリリース前にPDCAで改訂していく事が出来ます。
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