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神話理論とは何か?

さて、私は独自に神話理論を拡張して5つの要素に分解してデータを管理しています。
 
1:プロット(物語の設計図)
2:キャラクター
3:ワールド(世界観)
4:アーティファクト(アイテムなど、上記のもの以外を管理)
5:ストーリー(物語本体)
 この内、神話理論そのものはプロットとストーリーで使っていますが、本当に使わなければいけないのはプロットになります。その他のキャラクター、ワールド、アーティファクトは様々な外国の研究文献を参考に、改めて研究し直し実装しており、現在も項目の最適化のため研究が日夜進められています。
 
 最近ではPixarのストーリーテリングの授業がカーン・アカデミーで公開されているのですが、私たちはカーン・アカデミーから翻訳の許可を得て、以下のように翻訳版を公開していますので、ぜひ御覧ください。
 
 プロットは日本ではあらすじと解釈されていますが、海外では、ログライン(一行で説明する話)とシノプシス(A4一枚で説明する粗筋)になり、プロットとは各シーンの設計図になるため、映画で言えば1分1枚程度描くのが当然で、最低3ヶ月、最長3年ほどプロットに時間を費やし、そこが出来て台本に移ります。脚本と台本の違いは、いわゆる設定まで書いてあるものが脚本=プロットでセリフ集が台本だと整理するとわかりやすいです。
 
 これは、アメリカでは集団でものづくりをする設計になっているからであり、日本でも当たっている作品ほど、プロット(アニメだと絵コンテ)をすごく重要視して作っています。コンピュータでもイベントでもなんでもそうですが、企画から設計に移った時点で設計に時間がかかりしっかりしたものができていれば8割方成功したも同然です。後は細部を詰め、設計通りに組み立てられればほとんど成功します。(途中想定外のことが起こった場合は適宜修繕する事は前提として)
 
 ストーリーロジックは実は複数あって、神話理論はそのうちの一つです。ficta onlineが現在使っている神話理論(Hero's Journey)はジョセフ・キャンベルという神話学者が唱えた理論を使っています。それをハリウッド版に発展させたのが、ジョージ・ルーカスであり、ディズニーの脚本家だった、クリストファー・ボグラーです。彼が書いた物語の法則(Writer's Journey)をベースにシステムは構築されています。
 
 そもそも、物語とは三幕あり、始りがあり、中間があり、終りがあります。これを言ったのは誰でしょうか?これは、古代ギリシャの哲学者アリストテレスです。彼は悲劇を作るためにはと、詩学という分野で説明を繰り広げます。
 
 この話をすると長くなるので、今回は横においておくとして、その三幕を十二分節化します。そして、それぞれの分節=シーンには意味があり、どれぐらいの熱量で設計すべきなのかがすべて定義されていたりします。これが神話理論です。
 

第一幕  

シーン1:日常  
シーン2:冒険のいざない  
シーン3:冒険の拒否  
シーン4:メンターとの邂逅  
シーン5:戸口の番人

第二幕  

シーン6:敵、試練、仲間  
シーン7:問題の核心  
シーン8:最大の試練  
シーン9:勝利または克服

第三幕  

シーン10:帰路につく  
シーン11:最後の困難  
シーン12:エンディング(宝を持っての帰還)
 
 これらにそれぞれの意味があるため、シーンごとの解釈が異なり、ストーリーは自然に進んでいくのです。
 
 ちなみに、主人公曲線(CharacterArc)とストーリー曲線(NarrativeArc)をプロットにプロット(設置)することが出来るのも特徴です。こうすることで、本来自分が物語の流れをこのシーンは上げて、こっちのシーンは下げたいんだよとか表現しておくと、第三者や開発中のAIがプロットの内容を判別してそこまでまだ行ってないよね?とツッコミを入れることが可能だったりします。これらを総合的に最近ではEmotionalArc(感情曲線)と呼んでいます。
 
 中々説明がまだ追いついていないので、うまく伝わっていませんが、StoryAI本質はストーリーをプロット(設計)させることにあります。だからこそ、わたしはプロットを解析することにこだわってつくりました。
 
 ですが、やはりお客様の声を聞いていると使いづらいため、現在v2の設計に入っています。もっと使いやすく、外部システムとの連携も視野に入れ、モバイルからの入力にも対応したバージョンを想定しています。使ってもらってなんぼですから、ぜひここはしっかりと対応していきたいと思います。