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ブレードランナー2049は優等生

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ブレードランナー2049を見てきました。

理由は大きく二つ。

  1. 展開が難しい旧作と今作の違いを理解すること
  2. 未来が追いついてしまった作品の取り扱い方を知ること
です。結論から言うと、いい感じに最新のVFXで料理したな、脚本は神話理論で武装したプロットを上手くやったな、旧作ファンが後半になればニヤニヤするシーンのオンパレードにしたな、です。
結果的に旧作の世界観よりはマイルドに仕上がっていますが、良い作品だと思います。
 
ただ、インパクトを考えると旧作は恐ろしいぐらい世界を作っていたように思えます。より未来的なのは旧作だと思いました。冒頭のシーンは旧作のシンメトリー構造のようなアシンメトリーとなっていたり、丁寧に作るとはこういうことなんだなと思います。
コルクの佐渡島さんも

にて以下のような事を書いています。

 『ブレードランナー2049』をいい作品にしているものは何なのかを僕は観ながら考え続けた。

いい物語は、ヒーローズジャーニーであると言われる。主人公は、旅に出て、課題を見つけ、そして課題を解決して変容し、戻ってくる。僕もその型を意識して、編集する。主人公がA→A’になるために、エピソードを考える。

しかし、観ている間に僕は「主人公が自分が何者かを知りたいと思い、探索し、自分を知る」のがいい物語なのだと定義を更新した。

ここでも書いてあるとおり、いつものどおり、神話理論(=ヒーローズ・ジャーニー)にて書かれています。特に3幕に入ってからの展開は復活、邂逅、宝を持っての帰還の通りになっています。多分旧作は話の途中が神話理論どおりになっていないのだと思います。(当時はまだ出来たばかりなので、そのとおりに作られている作品はまだ少ない。BTTFとかStarWarsぐらい)

ところが、そういう話は抜きにして、いわゆる旧作からのファンは物足りないらしく、現在の若者のを見せているから未来感がないという結論になっていたりします。もちろん作品自体にリスペクトはした上で、です。

基本的に、2049の未来技術といえば、感情が完全に再現されたAI、ホログラム(イタコシステム)と空飛ぶ車の一般化ぐらいで、あとは現在の技術でも再現できそうです。重要なのはオフワールドの話が話の中でしか出てきていないので、むしろ宇宙移民がイノベーションなんだろうなと思います。

SF的な話は置いておいて、作品としてみたら、粗さが取れているのでラストシーン含めて見ればとても良いSF純文学という表現はよくわかります。今回の監督は日本の映画とかアニメ、特撮が好きなんじゃないかなとか思ったりして、そういう点においても日本人受けはしそうです。

ネタバレになりますが、手だけドアップとか、オレンジ色の街をさまようとか、巨大な女性の石像が朽ち果てているとかあれ、どっかで見たよね、それエヴァンゲリオンだよねとかまぁ、色々突っ込みたいところはあったんですが、ハリウッドのもつ財力があればこれだけ歪みなく表現できるんだなと感動したものです。

歪みがないというのはとても重要で、そういう意味でも2049はキャズム超えしたんだろうなと思います。

こういう作品、10年後とかには作っていたいですね。

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