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結婚するなら、離婚の仕方も決めておけ——Co-Foundersナイト Vol.1

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Co-Foundersナイト Vol.1 に行きました。

村重です。 1/18(水)、渋谷の東京カルチャーカルチャーで開催された、Co-Foundersナイト Vol.1 に行ってきました。「共同創業者」という珍しいテーマのイベントです。 登壇されたのは、ニフティの河原あずさん、500 Startups Japanの澤山陽平さん、そして、KitchHikeの山本雅也さんと藤崎祥見さん、ココナラの南章行さんと谷口明依さん。 トークテーマに沿って登壇者が話していくのですが、ところどころ「いいちこ棒チャンス」というのが挟まって、「いいちこ棒」(ニフティと三和酒類がコラボして作った、アンケート集計できるサイリウム的なもの)を使って、会場アンケートを取り、その結果でトークテーマが決まったりしました。 たとえば、A「共同創業者と出会ったきっかけは?」B「一緒に起業しようと決意した理由は?」C「起業前後でお互いの印象は変わった?」みたいな選択肢が出るのですが、BやCの話をしようとすると、結局Aの話もせざるを得なくなるので、あんまり意味ない感じでした。   それはさておき、トークのなかで、印象的だったいくつかのことを、記録しておきます。

「相棒」であり「家族」

イベントのページには、「相棒=共同創業者」という表現があったけれど、トークのなかでよく出てきた言葉は、「家族」でした。トーク全体からも、そういう関係性がにじみ出ていました。もちろん、トークの掛け合いの仕上がり具合は、どちらのコンビも、「相棒」であり「相方」という感じでした。 KitchHikeの二人は、一緒に住むとまではいかなくても、ずっと近くに住んでいて、ココナラも、初期は谷口さんの実家の一室に集まっていたとのことで、共同創業者たちはみなさん、夫婦のように、家族のように、四六時中一緒に過ごしてきたそうです。 とはいえ、それだけ一緒の時間を過ごしていれば、衝突はもちろん避けられません。 ココナラは、しょっちゅう喧嘩しまくりの号泣しまくりで、かなり物騒な感情をお互いに抱くほど、激しくぶつかり合うそうです(でも、翌日には元通り)。 それとは対照的に、KitchHikeの場合は、衝突はあってもご飯が解決してくれるそうです。KitchHikeでは、昼食は必ずメンバーが作ることになっていて、「ご飯食べながら喧嘩はできない」という言葉が非常に印象的でした。実際、一緒にテーブルを囲んで美味しい料理を食べるというのは、本当に大事なコミュニケーションだと思います(オフィスもままならない駆け出しのスタートアップには、なかなか難しいコミュニケーションだったりもしますが……)。 そんな感じで、寝食をともにし、ぶつかり合いながらも、なんだかんだで長年一緒に歩んでいける関係というのは、単なる友達や仕事仲間ではなく、まさに「ステキな家族」でした。

サービスは「自分の子供」

ほかにも、共同創業者は「家族」なんだ、という印象を覚えたのが、谷口さんの「サービスは自分の子供だと思っている」という言葉です。 それに続けて谷口さんは、友人から「サービスは子供じゃないよ」と言われて、「確かに有機物じゃない!」と気づいたとおっしゃってましたが(笑)、実際のところ、経営者にとって、会社は、サービスは、「自分の子供」だと思います。とはいえ、一人での子育ては相当しんどいわけで、だからこそ、共同創業者であるかどうかにかかわらず、中心メンバーは「良き夫婦」、「良き家族」となって一緒に子育てしていくことが大事だと思います。 途中で澤山さんが紹介された資料でも、創業者が1人の場合だと事業が立ち上がるまでにおよそ70ヶ月くらいかかるのに対して、2人だとその半分の30ヶ月程度になる、という話があり、これもやはり、1人での子育ては大変、ということなんだと思います。 ちなみに、創業者は多ければ多いほど良いわけではなく、3人以上だと、1人よりは早く立ち上げられるけど、2人よりは長くかかってしまうそうです。

離婚の仕方も決めておくことが大切

トークのなかで一番響いたのが、南さんの「創業株主間契約書」の話でした。 南さんのブログ記事「起業家が結ぶべき「創業株主間契約書」とは。そしてその契約のポイント。」は、2014年当時かなり話題になったそうですが、そのころの僕は、大学院に進むことしか考えておらず、知る由もなかったので、純粋に勉強になりました。 とはいえ、ただ単に「大事だから結びましょうね」というだけの話でしたら、「なるほど勉強になった」というくらいで終わっていたかもしれません。でも、それを結ぶことの難しさも聞けたことで、いっそうその重要性を実感できました。 創業株主間契約書というのは、何らかの理由で創業株主が会社を去る際に、持っている株をどう処理するかを取り決めるものです。それを結ぶ必要性は、南さんの次の言葉に集約されています。

取締役みたいな「立場」は、辞めるだけで解消できる。 でも、株式に関することは後戻りは非常に難しい。 そんなときのための、買取の発動条件や、取得価格などをあらかじめ定めた、創業株主間契約書。 ゼロを割ってもゼロだけど、ゼロでなくなった瞬間に、人はごく自然に欲を持ち始めるのだよ。。。

「起業家が結ぶべき「創業株主間契約書」とは。そしてその契約のポイント。」より

人間の欲というのは御しがたいものであって、自分たちは大丈夫、とはいかないわけです。むしろ、良い関係を築けている大切な相手だからこそ、有事のときでもその関係を守り続けるために、あらかじめ契約を結んでおくべきなのです。

とはいえ、それは難しい。なぜなら、「一緒に起業するぞ!」と盛り上がっているときに「誰かが辞めるときはどうしようか?」なんてことは考えたくもないし、考えたら意気阻喪してしまうのが普通だからです。

それはトークのなかでも出ていたように、結婚するときに離婚の仕方を決めるようなものです。「一生一緒に過ごすつもりで結婚するのに、なんで別れることを前提にした契約をしなきゃならないの? 死ぬまで愛しあうって誓ってるじゃん!」となるわけです。

もちろん、結婚にしても起業にしても、自分たちだけの問題なら、そのときになって考えればよいのかもしれません。しかし、子供(本当の子供でも、会社やサービスでも)がいるなら、話は別です。その子の幸せを本当に考える気があるのなら、もし自分たちが別れることになっても、その子にとって一番良い別れ方を考えておくことは必要です。


こんな感じで、共同創業者や会社を「家族」と捉えると、どの話も実感を伴って腑に落ちました。

早くもVol. 2が楽しみです。

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